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初代ご挨拶

「初代 村上由哲」最後のステージでのご挨拶

初代村上由哲

初代家元は平成2年2月16日、48歳で永眠いたしました。
志半ばの急逝でしたが、亡くなる半年前に最後の力を振り絞り、芸道35周年を記念するリサイタルを開催致しました。
その時の挨拶をご紹介させていただきます。

私は、青森県南津軽郡に生まれ、雪深い津軽の里で幼い頃から荘厳なまでの銀世界を眺めながら、津軽三味線の音色につつまれて育ちました。

15才の時、矢も盾もたまらず津軽家すわ子先生の門をたたき師事することになりました。「この道しか私の人生はない」との信念で只ひたすら修行の道を歩いてまいりました。

東京に出てからも、三味線の他に洋楽や作曲等、日々研鑽を続けました。

そして、縁あって第二の故郷とも言うべき、ご当地宮崎に永住することになったのです。

津軽とは対象的に、温暖な気候、長閑な風景、温かい人柄。私はすっかり宮崎がすきになり「九州にも津軽三味線があった」といわれるように頑張ろうと決意をしたのでございます。お蔭様で「 村上三絃道」を設立、家元として多くの門下を率いることになりました。

現在、九州各県はもとより四国、中国地方にも教室を開設し、多数の仲間と共に研鑽に励んでいる昨今でございます。また、念願でありました全国各地での公演も実現し、ここ数年は海外公演もできるように発展することができました。

私の今日がありますのは、もちろん私一人の力ではございません。

津軽三味線の師匠,津軽家すわ子先生を始め,私を育てて下さった諸先輩方、民謡界の皆様、様々な出会いで意気投合した仲間達、そして私の大事な門下の皆さんとそのご家族。実に多くの方々のご理解、ご協力の賜物と心から感謝申しあげております。

私は日本伝統の「芸道」を通じて社会に貢献してゆきたい、との「夢」を持っており、今後は一つひとつ、実現してまいりたいと思っております。

本日を契機として「村上三絃道」は全員一丸となって、更に精進してまいります。

何卒、ご指導ご鞭撻の程をよろしくお願い申しあげます。

最後になりましたが、今回の公演に際し、三隅治雄先生に構成・演出をお願いするこができましたことは望外の喜びであり、私の人生の総仕上げのつもりで舞台をつとめさせていただきます。また、ご後援にご協力いただきました皆様に深く感謝申しあげます。

ごゆっくりとご観覧下さいますようお願いを申しあげて、ご挨拶とさせていただきます。

大変ありがとうございました。

平成元年9月24日