スクールコンサート in 壱岐市立霞翠（かすい）小学校

2018年10月18日（木）10時より壱岐市立霞翠（かすい）小学校にてスクールコンサート。

のどかな田園風景を眺めながら学校に向かっていると、子ども達が元気に登校中。
車の中から手を振りながら校門をくぐりました。
学校の敷地内には幼稚園が併設。
幼小連携の教育がなされているようでした。
小学生と共に園児も元気に登園していて「おはようございます！」と可愛い声で挨拶をしてくれました。

校長先生が玄関で迎えて下さり、霞翠という珍しい名前のことなどいろいろとお話をうかがうと、霞翠小学校には学校・家庭地域をつなぐ「翠（みどり）の会」があり、わんぱく相撲など他校にはない地域を巻き込んだ楽しい行事が行われ、子ども達を育む活動が積極的に行われているとのことでした。

体育館に入るとステージには、「村上三絃道スクールコンサートin霞翠」と書かれた横断幕があり、先生方のお心遣いに嬉しくなりました。
楽器、機材搬入も先生方が手際よくお手伝いして下さって、あっという間に搬入が終わりました。
壱岐の先生方はどちらにうかがってもフットワークが軽く、よく動かれます。
連日、本当にお世話になりました。

霞翠小学校の全校児童は93名。
コンサートは体育館のフロアで開催。
緞帳をおろし、ステージを控室にして準備されており、リハーサル終了後、本番までを霞翠小学校の話をしながらゆっくりと過ごしました。
10月15日（月）には港まつりが行われ、児童たちも参加されたということ。
その中で、3年・4年・5年・6年生が「ソーラン節」を踊ったという情報もいただきました。
コンサートの中で、踊ってもらおうね！と打ち合わせしながら、開演を待ちました。

10時開演にもかかわらず、9時40分には「こんにちは！」と児童が元気よく体育館に集まって来ました。
緞帳の裏で、様子をうかがい、ワクワクしながら出演待ち。
校長先生からのご挨拶では、海外でも演奏活動を行っていることなど紹介いただきました。

時間となり、ステージとなっている体育館のフロアに演奏者が登場。
30名の園児と共に、少し大人びた小学生が大きな拍手で迎えてくれました。
演奏が始まると、真剣な表情になり、手の動きをじっと見つめながら食い入るように聴いてくれました。
地域の皆さんも先生方も三味線の演奏を聴くのはほとんどが初めてとのこと。
子ども達だけではなく、皆さんが待ちに待って下さったようでした。

津軽三味線の演奏の次は、歌や太鼓を交えての民謡メドレー「風が運んだ日本のメロディ」。
いつものように由宇月がトークをしながら進行します。
沖縄民謡の「谷茶前節」からスタートすると楽しそうに手拍子を打ち、嬉しい表情を演奏者に送ってくれました。
徳島県の「阿波踊りよしこの」では、踊りたくてウズウズしている男子が笑顔でジ―ッと見つめています。
由宇月も視線を感じ、その児童の手を取り踊り出しました。
すると他の児童もあちらこちらから参加してくれて、皆の周りで輪を作って笑顔がいっぱいになりました。

楽器紹介では、選ばれた男子児童が嬉しそうにアシスタントをしてくれました。
家元の言葉に素直に反応してくれる可愛い子ども達。
幼稚園の先生が朝、お菓子の箱で手作りしてくれた三味線も園児たちの間では人気のようでした。先生のお心遣いが嬉しいですね。

休憩時間には三味線を触っていただくために出演者が子ども達の近くへ。
「私も触らせて！」「僕も触りたい～！」出演者は大人気。
子ども達と交流の時間となりました。

後半の部は、三味線の秘密と題した家元の話からスタート。
伝統の技が光る三味線の構造について解説しながら、三味線を解体。
3つに分解すると「わ―！！！」と大歓声。
また、組み立てると「すごーい！」と目をキラキラさせて喜んでくれました。

その様子に感激しながら人気の「千本桜」。
ますます子ども達は喜んでくれて、三味線、太鼓のリズミカルな演奏を楽しんでくれました。

そして、いよいよ家元が歌う「ソーラン節」へ。
打ち合わせどおり、6年生に声を掛け、6名を前に。
掛け声をかけながら、カッコよく踊ってくれて、霞翠小学校のヒーローになっていました。

そのままチャレンジ・ザ・和楽器のコーナーへ。
子ども達に交じって先生も参加。
家元が演奏に大事なのは「姿勢」という話から。
先生がお手本になって「姿勢」を正して下さいました。
そして、腰骨を立てる「立腰」の姿勢の話をしていると各学年1名ずつ選ばれた児童もキリッとした表情で見事な構え。
堂々たるバチさばきで「ソーラン節」を演奏してくれました。
選ばれなかった児童も仲間に大きな拍手を送ってくれて感動的な場面になりました。

三線を弾かれた先生は「沖縄の出身ではないけれど、沖縄の風景が目に浮かぶような音色を感じました。」と答えてくれました。
6年生には将来の夢について家元がインタビュー。
すると「絵が好きなので、将来は設計の仕事をしたい。」とハキハキと答えてくれました。
しっかりした6年生の言葉に先生方も感動された様子でした。

そして、コンサートのクライマックスは「太陽じょんがら」。
「津軽じょんがら節」は、風雪に耐えて生まれた音楽ですが、九州の私たちにとっては、自然のエネルギーを感じる魂の音でもあります。
その音から子ども達のパワーや未来を更に大きくしたいという思いで作られたラテンのリズムによる「じょんがら」が「太陽じょんがら」。
一度聴いたら忘れられない演奏です。
子ども達にも大人気。
家元が「がんばろう　霞翠」と掛け声をかけると子ども達も「がんばろう　霞翠」と返してくれました。
最後は「霞翠小学校バンザーイ！」すると皆で「バンザーイ！」。
思わず、涙ぐんでしまうほどの感激でした。